Google Cloud Next Tokyo '25 Day 2 基調講演レポート
Cloud Next Tokyo '25 基調講演 Day2
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author: tagupoyo
はじめに
2025年8月6日、Google Cloud Next Tokyo ‘25の2日目が開催されました。 本記事では、Day 2の基調講演で発表された内容の中から、特に注目すべきGoogleの最新テクノロジーについて速報レポートとしてお届けします。 Day1で示された「AIエージェント」のビジョンが、より具体的な製品やサービスとして姿を現した1日となりました。
概要
2日目の基調講演は、AIエージェントが開発、データ分析、セキュリティといった実用的な領域でいかにビジネスを加速させるかに焦点が当てられました。 開発者体験を根本から変える「Gemini CLI」のAgent Mode、専門知識がなくとも高度なデータ活用を可能にするBigQueryの各種AIエージェント、そして脅威検知から対応までを自律的に行うセキュリティエージェントなど、AIが単なる「補助ツール」から「自律的なパートナー」へと進化している様子が具体的に示されました。
開発者体験の再定義:AIエージェントによるコーディング革命
開発者向けセッションでは、Geminiを搭載したコーディングツールが、開発の生産性を新たなレベルへ引き上げることが示されました。 Google社内コードの30%以上がAIによって生成されているという事実は、その効果を物語っています。
Gemini CLIとAgent Mode 今回新たに発表された「Gemini CLI」は、開発者が日常的に使用するコマンドライン上でGeminiの能力を最大限に活用できるツールです。 特に注目すべきは「Agent Mode」で、プロジェクト全体のソースコードをコンテキストとして理解し、自然言語での指示に基づき、デバッグ、機能実装、ドキュメント作成などを自律的に実行します。 デモでは、エラーが発生したアプリケーションに対し、Geminiが自ら原因を調査し、コードを修正するまでの一連の流れが実演されました。
Gemini CLI GitHub Actions さらに、GitHub Actionsとの連携も発表されました。 これにより、新しいIssueの分析、ラベル付け、優先順位付けや、プルリクエストのレビュー、テストコードの実装といったタスクをAIエージェントが自律的に処理し、開発サイクル全体を高速化します。
データとAIの未来:エージェントが導くインサイトの民主化
データとAIの領域では、AIエージェントがいかにデータ活用を民主化し、ビジネスの意思決定を加速させるかが語られました。 Googleのデータクラウドは、AI時代に最適化された統合プラットフォームとして進化を続けています。
BigQueryを強化するAIエージェント群 BigQueryに、新たに以下のAIエージェントが搭載されることが発表されました。
- Data Engineering Agent: データパイプラインの構築など、手間のかかるデータエンジニアリング作業を自動化。
- Data Science Agent: BigQuery Notebooks上でモデル開発のあらゆる段階を変革。
- Conversational Analytics Agent + Code Interpreter: 自然言語でデータと対話し、高度な分析。
これらのエージェントにより、データ専門家でなくとも、誰もがAIの力を借りてデータから価値を引き出せるようになります。
オープンなエコシステムの強化 Google Cloudはオープン性も重視しており、BigLake Iceberg ストレージ上でのBigQueryの性能・AI/ML機能を3倍に拡張。さらに、Sparkワークロードを大幅に加速するLightning Engine も発表され、オープンソースのApache Sparkよりも最大4倍高速なクエリパフォーマンスを実現します。
AIで守る、そしてAIを守る:次世代のセキュリティ運用
セキュリティ分野では、高度化・巧妙化するサイバー攻撃に対し、AIを駆使して防御するという明確なビジョンが示されました。「AIで守る(防御側)」と「AIを守る(AIシステム自体)」という2つの側面から、新たなソリューションが発表されました。
Google Security Operations アラートトリアージエージェント セキュリティ運用を自動化する新しいエージェントです。 無数のアラートの中から、AIが自動でコンテキストを分析し、脅威の調査を実施し、重大なインシデントを特定します。これにより、セキュリティアナリストはノイズに惑わされることなく、真に対応が必要な脅威に集中できるようになります。
New AI Protection AIシステムの開発・運用が本格化する中で、AIモデルやデータそのものを守るための統合セキュリティソリューション「AI Protection」が発表されました。以下の3つの機能を提供し、AIシステム全体のリスクを可視化・管理します。
- AIアセットの発見: AIシステムの稼働環境を可視化。
- AIアセットの保護: AI DevOps環境にセーフガードを構築。
- AIへの脅威対応: AIシステムへの脅威を検知・対応。
まとめ
Next Tokyo ‘25の2日目は、AIエージェントが開発者、データアナリスト、セキュリティ担当者といった専門家の「自律的なパートナー」となり、ビジネスの生産性と創造性を飛躍的に向上させる未来を具体的に描き出しました。 Google Cloudは、最先端のAIモデルとそれを支える堅牢なインフラ、そしてオープンなエコシステムを統合することで、あらゆる企業がAIの恩恵を最大限に享受できるプラットフォームへと進化を遂げています。 発表された数々の新機能は、今後のクラウドとAIの活用における新たなスタンダードとなるでしょう。
※本記事は、ジーアイクラウド株式会社の見解を述べたものであり、必要な調査・検討は行っているものの必ずしもその正確性や真実性を保証するものではありません。
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