【2025年最新】Google Cloud無料利用枠(Free Tier)を徹底解説!Always Freeでここまでできる

2025/08/15に公開されました。
2025/08/15に更新されました。

2025年最新のGoogle Cloud無料利用枠(Free Tier)まとめ


author: teikoku-penguin

はじめに

「Google Cloudを勉強してみたいけど、料金が心配…」 「個人開発でインフラコストをかけずにサービスを公開したい!」

そんな悩みや希望をお持ちではありませんか?

実は、Google Cloudには 「Always Free」 と呼ばれる、ずっと無料で利用できるサービスがたくさんあります。

この記事では、25年8月1日現在のGoogle Cloudの無料利用枠(Free Tier)で一体何ができるのか、どんなサービスが対象なのかを、初心者の方から開発者の方まで分かりやすく徹底的に解説します。

うっかり課金を防ぐための必須の設定にも触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。


押さえておきたい!Google Cloudの2種類の無料枠

Google Cloudの無料枠には、大きく分けて2つの種類があります。それぞれの特徴を理解して、目的に合わせて賢く使い分けることが重要です。

1. Always Free(永年無料枠)

「Always Free」 は、その名の通り、指定されたプロダクトを毎月一定の上限まで永続的に無料で利用できるプログラムです。個人開発や小規模なサービスの運用に最適です。

  • メリット: 期間の制限なく、ずっと無料で使える
  • 注意点: 各サービスごとに無料枠の上限(例: 月間の利用時間、ストレージ容量など)が定められている

2. 無料トライアル

「無料トライアル」 は、新規ユーザー向けに提供されるプログラムで、90日間有効な$300のクレジットが付与されます。

  • メリット: Always Free対象外のサービスも含め、ほとんどのGoogle Cloudプロダクトを試せる
  • 注意点: 90日が経過するか、$300のクレジットを使い切ると終了する

【Always Free】主要無料プロダクト一覧とできること

ここでは、Always Freeの対象となっている主要なプロダクトと、その無料枠で何ができるのかをカテゴリ別に紹介します。

App Engine

フルマネージドのサーバーレスプラットフォームで、ウェブアプリケーションやAPIを簡単に構築、デプロイできます。

  • 無料枠: スタンダード環境で1日あたり28時間分のF1インスタンス、9時間分のB1インスタンス、1GBのアウトバウンドデータ転送
  • できること: Webアプリケーションの開発・ホスティング、モバイルバックエンドの構築

Application Integration

様々なアプリケーションやデータを接続し、統合するためのプラットフォームです。

  • 無料枠: 最大400回の統合の実行、1か月あたり最大20GiBのデータ処理、Googleサービスの最初の2つの接続ノード
  • できること: 異なるSaaSアプリケーションや社内システム間のデータ連携

Artifact Registry

コンテナイメージや言語パッケージ(Maven、npmなど)を管理するための統合されたリポジトリです。

  • 無料枠: 0.5GBのストレージ/月
  • できること: Dockerコンテナイメージの保存・管理、CI/CDパイプラインとの連携

AutoML Natural Language

独自のテキストデータを使って、カスタムの機械学習モデルを構築できます。

  • 無料枠: 5,000ユニット/月
  • できること: 業界特有の専門用語を含むテキストの分類、固有表現抽出

AutoML Tables

構造化データ(表形式データ)から、カスタムの機械学習モデルを自動で構築します。

  • 無料枠: 6ノード時間(トレーニングと予測)
  • できること: 顧客の解約予測、不正行為の検出、製品の推薦

AutoML Translation (※ 9/30以降利用できなくなります)

カスタム翻訳モデルを作成できます。これらのカスタムモデルは、ドメイン固有の翻訳クエリから結果を返します。

  • 無料枠: 1か月あたり50万文字の翻訳
  • できること: カスタム翻訳モデルの作成

BigQuery

ペタバイト規模のデータを高速に分析できる、フルマネージドのデータウェアハウスです。

  • 無料枠: 1か月に1TBのクエリ処理、10GBのストレージを含む。
  • できること: 大規模なデータセットの分析、ビジネスインテリジェンス(BI)のためのデータ基盤

Cloud Build

ソースコードからのビルド、テスト、デプロイを自動化する、継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)プラットフォームです。

  • 無料枠: マシンタイプe2-standard-2で1か月あたりビルド時間2,500分
  • できること: GitHubなどのリポジトリと連携した自動ビルド、コンテナイメージの作成、アプリケーションの自動デプロイ

Cloud Deploy

Google Kubernetes Engine(GKE)やCloud Runへの継続的デリバリーを自動化するマネージドサービスです。

  • 無料枠: 最初の同時配信パイプラインは無料
  • できること: アプリケーションの本番環境へのリリースプロセスの自動化

Cloud Key Management Service

暗号鍵の作成、管理、使用するためのクラウドホスト型鍵管理サービスです。

  • 無料枠: 1か月あたり100個のアクティブな鍵バージョン、10,000回の暗号オペレーションが無料
  • できること: データベースやストレージに保存するデータの暗号化、アプリケーションレベルでの暗号化の実装

Cloud Logging

GoogleCloudサービスのログの自動収集が行えるサービスです。

  • 無料枠: 月ごとの無料割り当て
  • できること: ログの自動収集、探索、指標の作成。

Cloud Monitoring

Google Cloudサービスやアプリケーションのパフォーマンス、可用性、健全性を監視する統合モニタリングサービスです。

  • 無料枠: 月ごとの無料割り当て
  • できること: システムのパフォーマンス監視、アラートの設定、カスタムダッシュボードの作成

Cloud Natural Language API

感情分析、エンティティ分析、エンティティ感情分析、コンテンツ分類、構文解析などの自然言語理解技術のサービスです。

  • 無料枠: 1か月あたり5,000ユニット
  • できること: 感情分析、エンティティ分析、エンティティ感情分析、コンテンツ分類、構文解析

Cloud Run

コンテナをサーバーレスで実行できるサービスです。WebサイトやAPIのホスティングに最適です。

  • 無料枠: 1か月あたり200万リクエスト、180,000 vCPU秒のコンピューティング時間、360,000 GB秒のメモリ
  • できること: ブログ、ポートフォリオサイト、簡単なAPIサーバーの公開

Cloud Run Functions

イベントをトリガーにコードを実行できるサービスです。特定の処理を自動化するのに役立ちます。

  • 無料枠: 1か月あたり200万回の呼び出し(バックグラウンド呼び出しとHTTP呼び出しを含む)、400,000GB秒、200,000GHz秒のコンピューティング時間、5GBのアウトバウンド データ転送
  • できること: チャットボットのバックエンド、画像がアップロードされたら自動でリサイズする処理

Cloud Shell

ブラウザからアクセスできる、Google Cloudリソースを管理するためのコマンドライン環境です。

  • 無料枠: 無料アクセス。5GBの永続ディスクホームディレクトリを含む。
  • できること: gcloudコマンドラインツールやその他のユーティリティを利用したプロジェクト管理、簡単な開発作業

Cloud Source Repositories (※ 2024年6月17日以降新規での利用ができません)

フル機能の非公開Gitリポジトリを無料で提供します。

  • 無料枠: 最大5ユーザーまで無料
  • できること: アプリケーションのソースコード管理、Cloud Buildや他のGoogle Cloudサービスとの連携

Cloud Storage

スケーラブルで耐久性の高いオブジェクトストレージサービスです。画像、動画、バックアップなど、あらゆるデータを保存できます。

  • 無料枠: 月に5GBのリージョンストレージ(米国リージョンのみ)、5,000回のクラスAオペレーション、50,000回のクラスBオペレーション、北米から全リージョン宛ての100GBのアウトバウンドデータ転送(中国とオーストラリアを除く)
  • できること: Webサイトの静的コンテンツのホスティング、データのバックアップとアーカイブ、動画や画像の配信

Cloud Vision

開発するアプリケーションの中で簡単に画像検出機能を統合できます。

  • 無料枠: 1か月あたり1,000ユニット
  • できること: 画像ラベリング、顔やランドマークの検出、光学式文字認識(OCR)、露骨な表現を含むコンテンツへのタグ付けなど

Compute Engine

Google Cloudが提供する仮想マシン(VM)サービスです。高い柔軟性で、スケーラブルなアプリケーションを実行できます。

  • 無料枠: 1か月に1つのe2-micro VMインスタンス、30GBの永続ディスク(標準)、1GBの北米から全リージョン宛(中国とオーストラリアを除く)のネットワークトラフィック
  • できること: Webサーバーの構築、開発・テスト環境の構築、小規模なアプリケーションの実行

Firestore

モバイル、ウェブ、サーバー開発向けの、柔軟でスケーラブルなNoSQLドキュメントデータベースです。

  • 無料枠: 1プロジェクトあたり1GBのストレージ、50,000回の読み取りオペレーション、20,000回の書き込みオペレーション、20,000回の削除オペレーション
  • できること: リアルタイム同期が必要なアプリケーション(チャットアプリなど)の開発、オフライン対応のモバイル・Webアプリのデータ保存

Google Kubernetes Engine (GKE)

コンテナ化されたアプリケーションを大規模にデプロイ、管理、スケーリングするためのマネージドサービスです。

  • 無料枠: 1つのAutopilotクラスタ、またはゾーンクラスタの管理料金が無料。Podやノードのリソース使用量は別途課金。
  • できること: マイクロサービスアーキテクチャの構築、コンテナ化されたアプリケーションの効率的な運用

Pub/Sub

非同期でスケーラブルなメッセージングサービスで、イベント駆動型のシステムを構築するのに役立ちます。

  • 無料枠: 1か月に10GBのメッセージ
  • できること: サービス間の非同期通信、リアルタイムのデータストリーミング処理

reCAPTCHA Enterprise

ウェブサイトやモバイルアプリをスパムや不正行為から保護するためのサービスです。

  • 無料枠: 100万コール/月
  • できること: ログインフォームや問い合わせフォームでのボットによる攻撃の防止

Secret Manager

APIキー、パスワード、証明書などの機密情報を安全に保存、管理するためのサービスです。

  • 無料枠: 1か月に6つのアクティブなシークレットバージョン、3つのシークレットのローテーション通知/月以内
  • できること: アプリケーションで利用するAPIキーやデータベースのパスワードを安全に管理

Speech-to-Text

音声をテキストに変換するAPIです。リアルタイムの音声認識も可能です。

  • 無料枠: 1か月に60分
  • できること: 音声コマンドの文字起こし、動画の字幕作成、コールセンターの通話分析

Video Intelligence API

動画からメタデータを抽出し、動画内の物体、場所、アクションを検索可能にします。

  • 無料枠: 保存されている動画のアノテーション(最初の1,000分)、ストリーミング動画アノテーション(最初の1,000分)
  • できること: 動画コンテンツの検索、動画の要約作成、不適切なコンテンツのフィルタリング

Web Risk API

ウェブサイトがGoogleの既知の安全でないウェブソースのリストに含まれているかどうかを確認できます。

  • 無料枠: 1か月あたり100,000回のuris.search呼び出し、100回のuris.submit呼び出し
  • できること: アプリケーション内のリンクが安全かどうかをユーザーに警告

Workflows

APIやGoogle Cloudサービスを組み合わせて、サーバーレスなワークフローを構築・自動化します。

  • 無料枠: 1か月あたり5,000個の内部ステップ、2,000個の外部HTTP呼び出し
  • できること: 複数のマイクロサービスを連携させるプロセスのオーケストレーション、ETL処理の自動化

⚠️ 無料枠を最大限に活用するための注意点

無料枠を安心して使うためには、意図しない課金(うっかり課金)を防ぐための設定が不可欠です。

1. 無料枠の上限を把握する

各サービスの無料枠には上限があります。利用を始める前に、公式ドキュメントで最新の上限値を確認しておきましょう。

2. 予算アラートを設定する

Google Cloudでは、指定した金額に利用料が達しそうになるとメールで通知してくれる**「予算アラート」**機能があります。これは必ず設定しておきましょう。

  • 設定方法: [課金]>[予算とアラート] から設定
  • おすすめ設定: しきい値: 1円 に設定しておけば、無料枠を超えて少しでも課金が発生した瞬間に気づくことができます。

3. Always Free対象外の料金に注意

Compute EngineのVMインスタンス自体は無料でも、それに紐づく静的外部IPアドレスには料金がかかるなど、見落としがちな課金ポイントがあります。


まとめ

この記事では、Google Cloudの「Always Free」と「無料トライアル」の違いから、主要な無料プロダクト、そして安心して使うための注意点までを解説しました。

Google Cloudの無料枠は非常に強力で、個人開発や学習用途であれば、ほとんどお金をかけずに多くのことを実現できます。

ぜひこの記事とGoogle Cloud 公式ドキュメントを参考に、あなたのアイデアをGoogle Cloudで形にしてみてください!

※本記事は、ジーアイクラウド株式会社の見解を述べたものであり、必要な調査・検討は行っているものの必ずしもその正確性や真実性を保証するものではありません。

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