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Google Cloud 最新リリース情報: BigQuery、Spanner、Vertex AI など注目サービスのアップデートまとめ

はじめに

Google Cloud は常に進化を続け、新しいサービスや機能がリリースされています。このブログ記事では、特にビジネスユースケースが多い BigQuery、Spanner、Vertex AI を中心に、最近の主要なリリース情報を分かりやすくまとめています。

Google Cloud 全体

Gemini

• Looker での Gemini の新機能 (パブリックプレビュー)
  • 自然言語でのデータクエリ: 会話型アナリティクスは、自然言語を使用して回答を見つけ、データを探索し、洞察を共有することを容易にする、Gemini を利用したデータクエリ体験です。
  • カスタム Looker ビジュアライゼーションの作成: ビジュアライゼーションアシスタントを使用すると、自然言語を使用して Looker ビジュアライゼーションの書式設定オプションをカスタマイズできます。
  • LookML の生成: Gemini in Looker は、自然言語のプロンプトに基づいて LookML パラメータを生成する際に役立ちます。

その他

• AlloyDB
  • Cloud SQL for PostgreSQL バックアップのコピーを使用して、AlloyDB 無料トライアルクラスタをセットアップできるようになりました。
  • AlloyDB Omni オペレータが Google Distributed Cloud (GDC) connected でプレビュー段階で利用可能になりました。
  • AlloyDB クラスタとバックアップに事前定義された CMEK 組織ポリシーを追加できるようになりました。
  • Google Kubernetes Engine オートパイロットクラスタで実行されているアプリケーションから AlloyDB インスタンスへの接続をセットアップする方法を示すチュートリアルが追加されました。
  • AlloyDB は、すべての場所でクラスタあたり最大 128 TiB のストレージをサポートするようになりました。
  • プライマリインスタンスとセカンダリインスタンスでの AlloyDB アウトバウンドパブリック IP 接続が一般提供 (GA) されました。
• Apigee X
  • Google Cloud プロジェクトに CMEK 組織ポリシーの制約がある場合、Apigee はそれらの制約への準拠を強制し、有効な構成を選択するように導き、CMEK に準拠していない Apigee 機能を使用できないようにします。
  • サブスクリプション 2021 契約の Apigee API Management 組織の残りのすべてがアップグレードされ、標準および拡張可能な API プロキシ機能が導入されました。
  • このリリースでは、Apigee は Workforce Identity Federation をサポートしています。Workforce Identity Federation を使用すると、外部 ID プロバイダ (IdP) を使用して、従業員、パートナー、請負業者などのユーザーグループである従業員を認証および承認し、Identity and Access Management (IAM) を使用して Apigee サービスにアクセスできます。
  • このリリースでは、Apigee API アクセスに Cloud IAM ベースの認可と認証が導入されています。この IAM ベースのソリューションでは、API を呼び出すためのアクセスには、API コンシューマーが特定の Google Cloud IAM ロールまたは権限を持っている必要があります。
• Backup and DR
  • Backup and DR Service で、Cloud Logging で保護されていないリソースログを表示するサポートが追加されました。
  • Backup and DR Service で、BigQuery で保護されていないリソースレポートを表示するサポートが追加されました。
• Cloud Billing
  • Gemini Cloud Assist in Cloud Billing Reports は、コストの傾向を分析するために必要なコストレポートを作成し、コストレポートから重要な洞察を要約するための、FinOps に焦点を当てた AI アシスタンスを提供します。
  • コンピューティング エンジン リソースのオンデマンド予約で指定したしきい値のリソースを 7 日間以上消費していない場合は、十分に活用されていない予約を変更または削除するための推奨事項が表示されるようになりました。
  • 異常検出ダッシュボード (プレビュー) を使用して、過去の支出パターンから逸脱したコストの急増を表示および管理できるようになりました。各異常には、急増の原因となった上位のサービス、リージョン、SKU を特定する詳細な根本原因分析が付属しています。
• Cloud Logging
  • Cloud Console を使用するだけでなく、Logging API を使用してログスコープを作成および管理できるようになりました。この機能はパブリックプレビュー段階です。
  • Google Cloud Console に新しい Cloud Observability の概要ページがあります。カスタマイズ可能なこの新しいページでは、Cloud Observability 製品を紹介し、ログ、ダッシュボード、インシデントなどに関する情報を提供します。このページは、リソースの問題の検出、関連するイベントの表示、重要なシグナルの表示に役立ちます。
  • Terraform コマンドを使用してログスコープを作成または更新できるようになりました。
  • 予約済みの BigQuery スロットを使用して、ログアナリティクスページからログデータをクエリできるようになりました。
• Cloud NAT
  • ハイブリッド NAT が一般提供 (GA) されました。
• Cloud Run
  • GPU サポート (プレビュー) が asia-southeast1 リージョンで利用可能になりました。
  • サービスレベルの最小インスタンスが一般提供 (GA) されました。
  • Cloud Run のダイレクト VPC エグレス機能で、セキュアウェブプロキシがサポートされるようになりました。
  • Cloud Run サービスとジョブ (プレビュー段階) で組織ポリシーによって適用されるプロジェクトのカスタム制約を適用できるようになりました。
• Dataform
  • プロジェクトのデフォルトの Dataform 顧客管理の暗号化キー (CMEK) キーを設定して、複数の Dataform リポジトリを同じ CMEK キーで暗号化できるようになりました。
• Dataplex
  • 管理対象接続パイプラインが一般提供 (GA) されました。管理対象接続パイプラインを使用して、サードパーティのソースからメタデータを抽出し、Dataplex カタログにインポートします。メタデータを抽出する独自のコネクタを開発し、オーケストレーションとスケジューリングにワークフローを使用します。
• Datastore
  • REST API で increment などのプロパティ変換を使用できるようになりました。この機能はプレビュー段階です。
  • Datastore モードの Firestore 用 Java クライアントライブラリで、クライアント側トレースがサポートされるようになりました。この機能はプレビュー段階です。
  • Datastore で顧客管理の暗号化キー (CMEK) を使用してデータを保護できるようになりました。この機能は、許可リストの背後で一般提供 (GA) されます。
• Drive API
  • Google Drive API は、Drive API またはそのクライアントライブラリを介して BLOB ファイルコンテンツをダウンロードするか、Google Workspace ドキュメントコンテンツをエクスポートするために files.download メソッドを呼び出すたびに、長時間実行オペレーション (LRO) を返します。
• Filestore
  • マネージドサービス for Microsoft Active Directory と統合された NFSv4.1 プロトコルサポートが、ゾーン、リージョン、エンタープライズインスタンスで一般提供されるようになりました。
• Firestore
  • Firestore で顧客管理の暗号化キー (CMEK) を使用してデータを保護できるようになりました。この機能は、許可リストの背後で一般提供 (GA) されます。
• Media CDN
  • 特定のルートルールに対する HTTP メソッドフィルタリングが一般提供されるようになりました。GUI を使用してこのようなフィルタリングを実装できるようになりました。

データ分析

BigQuery

• ワークフロー (プレビュー)

  • コードアセットを順番に、スケジュールされた時間に実行するためのワークフローを作成できるようになりました。これは、一連のデータ処理タスクを自動化するのに役立ちます。

    ユースケース例:

    • 毎晩、データの取り込み、変換、ロード、レポート作成を自動化する。
    • 特定のイベント (新しいデータの到着など) に基づいて、機械学習モデルのトレーニングをトリガーする。

• BigQuery ML のモデルモニタリング (一般提供)

  • BigQuery ML でモデルモニタリングを実行できるようになりました。これにより、モデルのパフォーマンスを継続的に監視し、ドリフトやその他の問題を検出できます。

    ユースケース例:

    • 顧客の行動の変化を検出し、機械学習モデルを再トレーニングする必要があるかどうかを判断する。
    • モデルの精度を監視し、時間の経過とともに低下していないことを確認する。

• Cloud KMS Autokey のサポート (一般提供)

  • Cloud KMS Autokey を使用して、顧客管理の暗号化キー (CMEK) の作成と使用を自動化できるようになりました。これにより、BigQuery データのセキュリティを強化できます。

    ユースケース例:

    • 機密性の高いデータを含む BigQuery データセットへのアクセスを、特定のユーザーまたはサービスアカウントに制限する。
    • 規制要件を満たすために、BigQuery データの暗号化を強制する。

• 埋め込みサポートの強化 (一般提供)

  • BigQuery ML での埋め込みサポートが強化され、テキスト、画像、動画を同じセマンティック空間に埋め込むことができるようになりました。

    ユースケース例:

    • 画像や動画の内容に基づいて、類似した製品を検索する。
    • 顧客からのフィードバックを分析し、感情を理解する。

• フレキシブルカラム名 (一般提供)

  • BigQuery テーブルとビューでフレキシブルカラム名を使用できるようになりました。これにより、スキーマの柔軟性が高まり、半構造化データの処理が容易になります。

    ユースケース例:

    • ログファイルや JSON ドキュメントなど、スキーマが進化する可能性のあるデータを取り込む。
    • スキーマを事前に定義せずに、データを BigQuery にロードする。

• その他のアップデート

  • materialized view replica を Google Cloud コンソールから直接作成できるようになりました。
  • BigQuery Data Transfer Service で、Display & Video 360 からキャンペーンレポートと構成データを BigQuery に転送できるようになりました。
  • クエリ履歴ベースの最適化を有効化、無効化、および分析できるようになりました。
  • contribution analysis モデルを作成できるようになりました。
  • BigQuery オブジェクトテーブルのドキュメントを処理できるようになりました。
  • BigQuery オブジェクトテーブルからオーディオファイルを文字起こしできるようになりました。
  • クラシック保存済みクエリを保存済みクエリにバッチ移行できるようになりました。
  • 運用状況ダッシュボードを使用して、スロット使用量、シャッフル使用量、エラー、合計ストレージなどの主要な指標をリアルタイムで確認できるようになりました。
  • Spanner の既存のデータベースにリンクする外部データセットを BigQuery に作成できるようになりました。
  • BigQuery DataFrames で部分順序付けモードを使用して、より効率的なクエリを生成できるようになりました。
  • Terraform を使用して、データセットとテーブルの IAM タグを管理できるようになりました。
  • Cloud Console のアップデート: 詳細ペインでキーボードショートカットを使用してタブナビゲーションを制御できるようになりました。
  • ODBC ドライバーのアップデート、リリース 3.0.7 1016
  • ベクターインデックスに列を格納し、ベクター検索でデータを事前にフィルタリングして、クエリの効率を向上させることができます。

データベース

Spanner

• FLOAT32 データ型の一般提供

  • FLOAT32 データ型が一般提供され、より広範囲の数値データを扱うことができるようになりました。

    ユースケース例:

    • 科学計算や機械学習など、高精度の数値計算が必要なアプリケーションに最適です。

• Spanner エディション (一般提供)

  • Spanner は、柔軟性、コストの透明性、コスト削減の機会を向上させる、階層ベースの価格モデルであるエディションを提供するようになりました。Standard、Enterprise、Enterprise Plus のエディションから選択できるため、ニーズと予算に合った適切な機能セットを選択できます。

• その他のアップデート

  • Spanner は、PostgreSQL ダイアレクトデータベースで spanner.farm_fingerprint() ハッシュ関数をサポートするようになりました。
  • Spanner は、Java および Go クライアントライブラリでのクライアント側トレースとともに、プレビュー段階でエンドツーエンドのトレースをサポートするようになりました。アプリケーションから Spanner へのレイテンシをより詳細に把握するために、エンドツーエンドのトレースを選択できます。
  • Spanner は Cloud KMS Autokey での使用が可能になりました。
  • K 近傍 (KNN) ベクター距離関数を使用して、ベクター類似性検索を実行できるようになりました。
  • Spanner は、GoogleSQL ダイアレクトデータベースで SAFE_TO_JSON 関数をサポートするようになりました。この関数を使用して、SQL オブジェクトを JSON オブジェクトに変換できます。

AI / 機械学習

Vertex AI

• Ray クラスタの自動スケーリング

  • Ray クラスタの自動スケーリングがサポートされ、ワークロードの需要に基づいてクラスタのサイズを自動的に調整できるようになりました。

    ユースケース例:

    • 機械学習モデルのトレーニングやバッチ推論ジョブなど、需要が変動するワークロードに最適です。

• カスタムトレーニングジョブのスケジュール

  • リソースの可用性に基づいて Vertex AI カスタムトレーニングジョブをスケジュールできるようになりました。

    ユースケース例:

    • コストを削減するために、トレーニングジョブを夜間や週末に実行するようにスケジュールする。
    • リソースの競合を避けるために、トレーニングジョブを特定の時間帯に実行するようにスケジュールする。

• Spot VM のサポート (プレビュー)

  • トレーニングジョブと予測ジョブの実行コストを削減するために、Spot VM を使用できるようになりました。

    ユースケース例:

    • コストを抑えながら、大規模なデータセットで機械学習モデルをトレーニングする。
    • コストを抑えながら、リアルタイムの予測を提供する。

• 予約のサポート (プレビュー)

  • カスタムトレーニングジョブと予測ジョブに必要なときに VM リソースが確実に使用できるように、Compute Engine 予約を使用できるようになりました。

    ユースケース例:

    • ミッションクリティカルな機械学習ワークロードに、確実にリソースを割り当てる。
    • リソースの競合を避けるために、事前にリソースを予約する。

その他

Chat API

• 管理者向け機能強化

  • Google Workspace 管理者は、Google Chat API を呼び出して、組織全体の Google Chat スペースを管理および検索できるようになりました。この機能により、スペースを大規模に管理し、次のような一般的または反復的なタスクを自動化できます。

    • 指定した条件に基づいてスペースを検索する
    • スペースのメンバーを一覧表示する
    • スペースにメンバーを追加し、スペースからメンバーを削除する
    • メンバーとスペースに関する詳細を取得する
    • スペースを更新または削除する
    • ユーザーのメンバーシップを更新する

Document AI

• カスタムエクストラクタのプロパティ記述

  • カスタムエクストラクタにプロパティ記述が追加されました。これにより、エンティティごとに追加のコンテキスト、洞察、事前知識を提供して、抽出の精度を向上させることができます。

    ユースケース例:

    • ドキュメントから請求書情報を抽出する場合、請求書番号、請求書日付、請求額などのプロパティに説明を追加できます。

• その他のアップデート

  • モデル pretrained-expense-v1.3.2-2024-09-11 と pretrained-expense-v1.4.2-2024-09-12 が、Expense Parser のリリース候補 (RC) として利用可能です。これらは、強化された基礎となるビジョンモデルを備えた v1.3 および v1.4 のアップグレードです。
  • カスタムエクストラクタ pretrained-foundation-model-v1.2-2024-05-10 と pretrained-foundation-model-v1.3-2024-08-31 が安定版になりました。

Agent Assist

• ライブ文字起こし適応 (プレビュー)

  • Agent Assist は、プレビュー段階でライブ文字起こし適応を提供するようになりました。

Apigee hybrid

• Vault での Cassandra クレデンシャルのローテーション

  • バージョン v1.3.1 以降、クレデンシャルが Hashicorp Vault に保存されている場合、自動 Cassandra クレデンシャルのローテーションを設定できます。

• データレジデンシーを備えた分析とデバッグのための新しいデータパイプライン

  • Apigee Hybrid 1.13.1 以降、Apigee Hybrid は新しいデータパイプラインを使用して分析とデバッグ用のデータを収集できるようになり、さまざまなランタイムコンポーネントがコントロールプレーンに直接データを書き込むことができるようになりました。これは、データレジデンシーを使用するインストールに必要です。

Places API

• ルート沿いの検索 (一般提供)

  • ルート沿いの検索が Places API (New) で一般提供されるようになりました。このリリースでは、次のことができます。

    • (テキスト検索のみ) 事前定義された旅行ルート沿いの場所を検索する。
    • (テキスト検索と近接検索) 指定されたルーティング起点から検索結果の各場所までのルーティングの概要 (期間と距離) を計算する。
    • (テキスト検索のみ) 事前定義された旅行ルート沿いの各場所のルーティングの概要を計算する。

Retail API

• Vertex AI Search for retail: 会話型検索 API

  • Search for retail のガイド付き検索パッケージの一部として、ConversationalSearchSpec は Retail API の上に位置付けられます。カバレッジパラメータが満たされると、Search for retail ユーザーは、コンソールで、または検索サービスインターフェースで followup_conversation_requested フラグを true に設定することにより、この機能を有効にできます。会話型検索では、allowed_in_conversation フィールドが有効になっているカタログ属性ごとに、LLM によって生成された質問が使用されます。

• Vertex AI Search for retail: タイルナビゲーション

  • Search for retail のガイド付き検索パッケージの一部として、タイルナビゲーションを使用すると、検索ページ全体で最も使用される可能性の高い各動的ファセットにタイルを表示できます。目的は、フィルターの使用を増やして検索をより速く絞り込むことです。

まとめ

今回のリリースでは、多くのサービスで重要なアップデートが行われました。特に、BigQuery、Spanner、Vertex AI の強化は、データ分析や機械学習のワークロードをより効率的かつセキュアに実行するのに役立ちます。詳細については、各サービスのドキュメントをご参照ください。