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Google Cloud 最新リリース情報 (2025年7月版)

今月の Google Cloud の最新情報をまとめてお届けします。特に BigQuery, Spanner, Vertex AI のリリースに注目し、ビジネスユースケースも交えながら、分かりやすく解説していきます。

AI・機械学習

Gemini: VS Code と IntelliJ のコーディング支援機能を強化

• VS Code Gemini Code Assist:
  • Inline diff (Preview): VS Code Gemini Code Assist 2.42.0 でインライン diff が利用可能になりました。コードの変更箇所がエディタ内で直接ハイライト表示され、変更のレビューや統合が効率化されます。
  • ユースケース: チームでのコードレビューにおいて、変更点を素早く把握し、議論を効率化できます。
• IntelliJ Gemini Code Assist:
  • Stop in-progress chat responses: IntelliJ Gemini Code Assist 1.22.1 で、実行中のチャット応答を停止できるようになりました。不要な応答を中断できます。
  • ユースケース: 長時間実行される可能性のあるクエリや、誤った情報を生成する可能性のあるチャットボットの応答を制御できます。

Vertex AI

• Model Garden:
  • Multimodal MedGemma 27B IT, MedSigLIP, T5Gemma モデルが Model Garden で利用可能になりました。
  • ユースケース:
    • MedGemma: 医療分野における画像診断や自然言語処理タスクに活用できます。
    • MedSigLIP: 医療画像のセマンティック検索や類似画像検索に利用できます。
    • T5Gemma: テキスト生成や翻訳など、様々な自然言語処理タスクに利用できます。
• Flex-start VMs (Preview): 推論ジョブのコスト削減のため、Dynamic Workload Scheduler (DWS) を利用した flex-start VM が利用可能になりました。短期間のワークロードに最適です。
  • ユースケース: バッチ推論など、実行時間が短いAI推論処理のコストを削減できます。
• Gemma 3 Fine-tuning Notebook: Axolotl docker を使用した Gemma 3 のファインチューニングノートブックが追加されました。1b, 4b, 12b, 27b バリアントをサポートします。
  • ユースケース: 特定のタスクやデータセットに合わせてGemmaモデルをカスタマイズできます。

データ分析

BigQuery

• BigQuery ML モデルの UI 作成 (Preview): Google Cloud コンソール UI から BigQuery ML モデルを作成できるようになりました。
  • ユースケース: SQL を書かずに、GUI操作で機械学習モデルを構築できます。
• MATCH_RECOGNIZE 句 (Preview): SQL クエリで MATCH_RECOGNIZE 句を使用して、テーブルの行をフィルタリングおよび集計できるようになりました。
  • ユースケース: 時系列データ分析において、特定のパターンを検出したり、イベントシーケンスを分析したりできます。
• CREATE EXTERNAL TABLE および LOAD DATA ステートメントのオプション (Preview):
  • null_markers: CSV ファイルで NULL 値を表す文字列を定義できます。
  • source_column_match: ロードされた列をスキーマに一致させる方法を指定できます (位置または名前)。
  • ユースケース: 外部データソースからのデータロードをより柔軟に制御できます。
• ノートブック、データキャンバス、データ準備ファイル、保存済みクエリへのコメント追加 (Preview): コメントを追加したり、既存のコメントに返信したり、コメントへのリンクを取得したりできます。
  • ユースケース: データ分析の共同作業において、議論やフィードバックを効率的に行うことができます。
• WITH パイプ演算子 (GA): パイプ構文クエリで共通テーブル式を定義するために、WITH パイプ演算子を使用できるようになりました。
  • ユースケース: 複雑なクエリをより構造的に記述し、可読性を向上させることができます。
• Access Transparency: BigQuery データ準備が GA ステージでサポートされるようになりました。
  • ユースケース: データ準備プロセスにおける Google Cloud のアクセスログを監査できます。
• データ準備の開発における Google アカウント認証 (Preview): 開発中にデータ準備の実行を承認するために、Google アカウントのユーザー認証情報を使用できるようになりました。
  • ユースケース: 開発環境でのデータ準備のテストを、より安全かつ効率的に行うことができます。
• VECTOR_INDEX.STATISTICS 関数 (Preview): ベクトルインデックスが作成された時点と現在との間で、インデックス付きテーブルのデータがどれだけドリフトしたかを計算できます。
  • ユースケース: ベクトルインデックスの再構築が必要かどうかを判断し、検索精度を維持できます。
• JSON 列のフラット化 (GA): BigQuery データ準備で JSON 列を 1 回の操作でフラット化できます。
  • ユースケース: ネストされた JSON データを分析しやすい形式に変換できます。
• DISTINCT パイプ演算子 (GA): パイプ構文クエリでテーブルから一意の行を選択するために、DISTINCT パイプ演算子を使用できるようになりました。
  • ユースケース: 重複したデータを排除し、正確な分析結果を得ることができます。
• 列へのデータポリシーの直接関連付け (Preview): 列レベルでアクセスを制御し、マスキングおよび変換ルールを適用するための直接データベース管理が可能です。
  • ユースケース: 顧客の個人情報など、機密性の高いデータへのアクセスを厳密に制御できます。
• Google Cloud Marketplace での BigQuery 共有リスティングの商用化 (GA): Google Cloud Marketplace で BigQuery 共有リスティングを商用化できるようになりました。
  • ユースケース: 独自のデータセットを販売し、収益化することができます。
• 名前付きウィンドウ (GA): パイプ構文クエリで名前付きウィンドウを使用できるようになりました。
  • ユースケース: 複雑なウィンドウ関数を再利用し、クエリを簡潔に保つことができます。

Looker

• Oracle JDBC ドライバーがバージョン 19.25 に更新されました。
• Query Concurrency System Activity Explore: クエリの同時実行に関するシステムアクティビティを分析できる Explore が利用可能になりました。
  • ユースケース: 高負荷な期間を特定し、データベース接続制限に関連するパフォーマンスボトルネックを調査できます。
• BigQuery クエリの高速化: BigQuery クエリを jobCreationMode=JOB_CREATION_OPTIONAL を使用して実行することで、応答時間を短縮します。
  • ユースケース: ダッシュボードやレポートの表示速度を向上させ、ユーザーエクスペリエンスを改善できます。

AlloyDB

• 特定の IP アドレス範囲での AlloyDB インスタンスの作成 (GA): Google Cloud CLI、Terraform、または REST API を使用して、特定の IP アドレス範囲を持つ AlloyDB インスタンスを作成できるようになりました。
  • ユースケース: セキュリティ要件を満たすために、AlloyDB インスタンスのネットワーク構成を細かく制御できます。

Dataform

• Dataplex での Dataform メタデータの自動カタログ作成の更新 (GA): リポジトリメタデータの管理および検索機能が改善されました。
  • ユースケース: データディスカバリーを効率化し、データガバナンスを強化できます。

データベース

Spanner

• Spanner Data Boost の HDD サポート (GA): Spanner Data Boost がハードディスクドライブ (HDD) に保存されたデータをサポートするようになりました。
  • ユースケース: コスト効率の高い方法で、大規模なデータセットに対する分析クエリを実行できます。

Dialogflow

• CMEK が EU リージョンで利用可能に: 会話型エージェントの CMEK (Customer-Managed Encryption Keys) が EU リージョンで利用可能になりました。
• 会話履歴フロー分析機能が利用可能に: 会話型エージェントの会話履歴フロー分析機能が利用可能になりました。
• モデル gemini-2.5-flash がすべてのリージョンで利用可能に: ジェネレーター、プレイブック (パブリックプレビュー)、データストアツール (パブリックプレビュー) で利用できます。
• 会話型エージェントデータストア: AlloyDB AI、Bigtable、Firestore、Spanner、Cloud SQL データストアソースがパブリック GA 機能としてサポートされるようになりました。Microsoft Entra ID ソースはプライベート GA サポートになりました。
• 21 個の新しい Chirp 3 HD ボイスが利用可能に: 34 のロケールで利用できます。

アプリケーション開発

Cloud Run

• 組み込み run.app URL の無効化 (GA): Cloud Run サービスの組み込み run.app URL を無効にして、明示的に構成したパスからのトラフィックのみを許可できます。
  • ユースケース: セキュリティを強化し、不正なアクセスを防ぐことができます。
• Compute Flexible CUD の拡張: Compute Flexible CUD が、リクエストベースの課金を使用する Cloud Run サービスと Cloud Run Functions の Cloud Billing アカウントの支出もカバーするようになりました。
  • ユースケース: Cloud Run の利用料金を削減できます。
• Go 1.24 ランタイムのサポート (Preview): Cloud Run で Go 1.24 ランタイムがサポートされるようになりました。

App Hub

• Dataproc Metastore サービス (GA): Dataproc Metastore サービスが一般提供になりました。

Apigee X

• Server-sent events and EventFlows (GA): Apigee が、サーバー送信イベント (SSE) エンドポイントからクライアントへのリアルタイムでの継続的な応答ストリーミングをサポートするようになりました。
  • ユースケース: 大規模言語モデル (LLM) API を効率的に処理し、顧客サービスボットやワークフローオーケストレーターなどのリアルタイム環境で動作する AI エージェントをサポートできます。

ネットワーク

Cloud NGFW

• RoCE VPC ネットワークのサポート (Preview): Remote Direct Memory Access (RDMA) over converged ethernet (RoCE) Virtual Private Cloud (VPC) ネットワークを作成し、ネットワークに適用されるファイアウォールルールを構成できます。

その他

Cloud Billing

• Spend-based CUD メタデータの BigQuery へのエクスポート (パブリックプレビュー): BigQuery エクスポートを通じて、spend-based CUD メタデータにプログラムでアクセスできるようになりました。
• Secret Manager の地域シークレットの使用状況に関するタグデータが利用可能に: 標準使用コストエクスポートと詳細使用コストエクスポートの両方で利用できます。

Cloud Storage

• Anywhere Cache の新しいロケーション: us-west3-a, us-west3-b, us-west3-c ゾーンでキャッシュを作成できるようになりました。

Google SecOps

• Playbook ループによるタスクの自動化 (Preview): Playbook の機能が強化され、リストまたはエンティティを反復処理し、各アイテムに対して 1 つ以上のアクションを実行できるようになりました。
• サイレントホストモニタリング: 新しい構成オプションが利用可能になりました。
• Playbook シミュレーターのループの機能強化: ループを含むプレイブックの視覚化とデバッグをサポートするようになりました。
• 新しいパーサーのドキュメントが利用可能に: さまざまなソースからのログを取り込み、正規化するのに役立ちます。
• 視覚化と脅威ハンティングを強化するためのダッシュボード: Google SecOps ダッシュボードを使用して、データ視覚化、調査、脅威ハンティングを強化できるようになりました。
• ケースキューフィルターの共有: ケースキューフィルターを他のユーザーと共有できるようになりました。

Looker Studio

• 新しいレポートキャンバスサイズ: 2 つの新しいプリセットキャンバスサイズオプション (A4 ポートレート/ランドスケープ) が利用可能になりました。
• Looker コネクタの機能強化: 追加の計算フィールド関数が利用可能になりました (Preview)。
• レポートの不正行為の報告: Looker Studio レポートの閲覧者は、不正なコンテンツを報告できるようになりました。
• BigQuery データソースのパフォーマンス改善: BigQuery コネクタがショートクエリ最適化モードをサポートするようになりました。
• 画像の新しい代替テキストフィールド: レポート画像に代替テキストを追加して、スクリーンリーダーでアクセスできるようにすることができます。
• レポートへの説明の追加: レポートにテキストの説明を追加できるようになりました。
• フィルターによるグラフのハイライト: [適用されたフィルター] パネルでフィルターをクリックして、そのフィルターが適用されるすべてのグラフをハイライト表示できるようになりました。
• デカルトグラフの新しい配置オプション: 新しい [グリッドに合わせる] 設定を使用すると、グラフの凡例の配置をグラフのタイトルではなく、グラフグリッドの位置に合わせることができます。

Apigee API hub

• Apigee およびハイブリッドプラグインインスタンスの管理: Apigee ランタイムプロジェクトを API ハブに関連付けながら、Apigee および Apigee Hybrid のプラグインインスタンスを作成および削除できるようになりました。

Cloud Composer

• Web サーバーの再起動 (GA): Cloud Composer 2 および Cloud Composer 3 で一般提供になりました。
• 高可用性環境 (GA): Cloud Composer 3 で一般提供になりました。

Compute Engine

• C4D ベアメタルマシンシリーズ (GA): 一般的な C4D マシンシリーズで、次のベアメタルマシンタイプが提供されるようになりました。
• C4 マシンシリーズでの Hyperdisk Balanced High Availability のサポート (GA):
• Hyperdisk Extreme ディスクのマルチライターサポート (Preview):
• マルチライターモードでの Hyperdisk ボリュームからのインスタントおよび標準スナップショットの作成 (GA):

NetApp Volumes

• 大容量ボリュームのボリュームバックアップのサポート (GA):
• 標準、プレミアム、およびエクストリームサービスレベルのクロスプロジェクトクロスリージョンレプリケーションのサポート (GA):

Secret Manager

• Secret Manager のタグ付け機能の強化: シークレットの作成時にタグを直接追加できるようになりました。
• シークレットとシークレットバージョンの変更に対するソフトエンフォースレート制限:

Places Insights

• PLACES_COUNT_PER_TYPE, PLACES_COUNT_PER_GEO, および PLACES_COUNT_PER_H3 関数が、応答で sample_place_ids 列をサポートするようになりました。

AI Hypercomputer

• カレンダーモードでの将来の予約 (Preview): 最大 90 日間リソースを取得するために使用できます。
• Collective Communication Analyzer (CoMMA) の管理 (GA):
• ストラグラ検出メトリックとログを使用したワークロードのトラブルシューティング (GA):

Cloud Monitoring

• コストエクスプローラーを使用したコストの最適化: Google Cloud プロジェクトまたは App Hub アプリケーションのリソースのコストと使用率を監視および理解できるようになりました (パブリックプレビュー)。
• アプリケーション固有のリソース属性がトレースデータに添付されるようになりました:

Games Dev Center

• Google Play Games plugin for Unity, version 2.1.0 の更新:

Migration Center

• ディスカバリークライアントとの接続エラーに関する短い説明の表示 (GA):
• ネットワーク依存関係レポートの生成 (GA):

Assured Workloads

• Impact Level 4 (IL4) および Impact Level 5 (IL5) のデータ境界のサポート製品の追加:

Cloud Data Fusion

• インスタンスの作成時にタグをアタッチできるようになりました:

Google Agentspace

• Google NotebookLM Enterprise: ソースの検出:
• Google Agentspace Enterprise: 最適化されたデータ取り込み:
• Google NotebookLM Enterprise: グループとのノートブックの共有:
• Google NotebookLM Enterprise: ノートブックの共有時にメール通知を送信:

Cloud Workstations

• europe-central2 リージョン (ワルシャワ) で利用可能になりました:

Google Cloud Armor

• 内部サービスセキュリティポリシーのサポート (Preview):

Google SecOps SIEM

• サイレントホストモニタリング: 新しい構成オプションが利用可能になりました。
• 視覚化と脅威ハンティングを強化するためのダッシュボード: Google SecOps ダッシュボードを使用して、データ視覚化、調査、脅威ハンティングを強化できるようになりました。
• 新しいパーサーのドキュメントが利用可能に: さまざまなソースからのログを取り込み、正規化するのに役立ちます。

Google SecOps SOAR

• Playbook ループによるタスクの自動化 (Preview): Playbook の機能が強化され、リストまたはエンティティを反復処理し、各アイテムに対して 1 つ以上のアクションを実行できるようになりました。
• ケースキューフィルターの共有: ケースキューフィルターを他のユーザーと共有できるようになりました。

まとめ

今月も多くのアップデートがありましたが、特に BigQuery の機能拡張はデータ分析基盤をさらに強力にするものと言えるでしょう。Vertex AI の進化も目覚ましく、AI/ML 分野での Google Cloud の存在感はますます大きくなっています。これらの情報を参考に、ぜひ Google Cloud を活用してみてください。