Googleで企業が生成AIを用いた業務効率化を始めるなら
Googleで企業が生成AIを用いた業務効率化を始めるならGemini(旧Bard) とVartex AIどちらがよい?
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author: teikoku-penguin
はじめに
こんにちは、teikoku-penguinです。
今流行りの生成AI Gemini、皆さんはご存知でしょうか?
そうです、Googleが開発した大規模言語モデル(LLM)とそのサービスです。
今回はそんなGemini(旧Bard)を導入して業務効率化を図りたい企業さんに向けた記事なります。
そもそも生成AIとは
この記事をご覧になられている方には今更のような気がしますがおさらいです。
生成AIは、従来のAIとは異なり、新しいデータやアイデアを創造できるAIです。
具体的には、以下のようなことができます。
- 文章生成: ニュース記事、小説、詩、コードなど、様々な文章を生成できます。
- 画像生成: 写真、イラスト、絵画など、様々な画像を生成できます。
- 音楽生成: 曲、メロディー、音符など、様々な音楽を生成できます。
- 動画生成: 動画、アニメーション、ゲーム映像など、様々な動画を生成できます。
生成AIは、様々な分野で活用されており、今後もさらに発展していくことが期待されています。
-
生成AIの利点:
- 新しいアイデアやイノベーションを生み出すことができる
- 人間では困難な作業を自動化できる
- 創造的な表現を支援できる
-
生成AIの課題:
- 倫理的な問題: 生成されたデータが偏見や差別を含んでしまう可能性がある
- 著作権の問題: 生成されたデータの著作権が誰に属するか
- 安全性の問題: 生成されたデータが悪用される可能性がある
Googleが展開する生成AIサービス
GoogleではGemini(旧Bard)を一般の利用者向けに、Vertex AIを主に開発者向けに提供しています。
Gemini(旧Bard)
Gemini(旧Bard)(以下Gemini)はマルチモーダルな生成AIです。
テキストだけでなく、画像、音声、動画などのデータを処理できます。
これにより、より自然で人間らしいやり取りが可能になります。
Geminiには以下のようなプランがあり、プランごとに価格とモデルのバージョンが異なります。
グレード | モデルバージョン | 価格(月額) | 制約 |
---|---|---|---|
Gemini | 1.0 Pro | 無料 | 入力したデータはトレーニングに利用される可能性がある |
Gemini Advanced | 1.0 Ultra | ¥2,900 | 入力したデータはトレーニングに利用される可能性がある |
Gemini Business | 1.0 Ultra | ¥2,260 | |
Gemini Enterprise | 1.0 Ultra | ¥3,400 |
また現在試験運用中でより性能が進化したGemini 1.5 Proも存在します。
Vertex AI
Vertex AIはGCPで提供される生成AIプラットフォームとそのサービスです。
大規模言語モデル(LLM)とAPIサービスが提供されて、独自の生成AIサービスを構築できます。
本題 Vertex AIを使った自前構築とGeminiどちらが良い?
まず前提として無料プランのGeminiを使う場合、データの機密は保証されません。
Geminiのトレーニングに使用する可能性があると明記されています。
そのため企業の皆様が業務の効率化でGeminiを用いたい場合には基本的にBusinessプラン以上を契約することになります。
その上でGeminiを契約するのが良いのか、それとも自前で構築するのが良いのかですが、筆者は用途次第と考えます。
そもそも自前構築って?
自前で構築する場合どうするのかですが、LLMを一から構築となればハードルが高すぎます。
お金と技術力をつぎ込めばできますが、業務効率化だけを考えれば非現実的です。
ですのでGoogleなどが公開・提供しているLLMを使うことになるのですが、AIとやり取りをする画面などある程度の開発が必要です。
コストで比較すると?
GeminiではBusinessプランを利用する場合に、利用者一人当たり月に2,260円がかかります。
仮にGoogle Work Space(以下GWS)と連携させてDriveに格納した資料を検索・要約したいと思えばGWSの費用も最低一人当たり月680円かかってきます。
トータルで一人当たり月に2,940円、年間で35,280円です。
そう考えるとユーザーの多い企業さんでは大きな額になりますよね?
これがVertexAIを使って自前で作る場合には、一度の開発費用と月々のGCP使用料(APIやデータストレージ等を使った分だけ)で済むわけです。
料金項目 | 料金 |
---|---|
クエリ | 1000クエリあたり2.0USD or 4.0USD |
データインデックス | 1GBあたり5.0USD(毎月10GBまで無料) |
データストレージ | 1GBあたり0.023USD(東京リージョン スタンダード) |
参照元:
Vertex AI https://cloud.google.com/generative-ai-app-builder/pricing#enterprise_pricing
ストレージ https://cloud.google.com/storage/pricing?hl=ja#asia
仮に従業員50人程度で1GBのデータを一人当たりが1日に20回ほど検索と要約をした場合、インデックス料金が無料範囲と仮定すれば、
一月あたりクエリ料金が84USD(約13,000円)(1000クエリ/4USD)+ データストレージ料金5USD(約770円)、一月あたり13,770円。
要約が不要であればクエリが半額の42USD(約6,500円)(1000クエリ/2USD)+ データストレージ料金5USD(約770円)、一月あたり7,270円で運用が可能です。
※価格は2024年4月24日現在のものです
自由度が高いのは?
自由度の高さで言えば、Vertex AIです。
LLMを細かくチューニングして業務に最適化したい、後々に生成AIを用いたシステムを拡張したい。
こうなればGeminiよりVartex AIを用いた自前構築のほうが向いているやもしれません。
またGeminiでは画面のカスタマイズはできないので、独自の画面を使いたい場合もVertex AIを使うことになります。
機能を比較すると?
機能 | Gemini | Vertex AI |
---|---|---|
マルチモーダル(画像) | ◯ | ◯ |
マルチモーダル(動画) | △ | △ |
マルチモーダル(音声) | △ | △ |
マルチモーダル(ファイル) | △ | △ |
テキスト検索 | ◯ | ◯ |
画像生成 | △ | ◯ |
音声生成 | ✗ | ◯ |
グラウンディング | ✗ | △ |
Google検索 | △ | ✗ |
マルチターン | ◯ | ◯ |
他モデルの使用 | ✗ | ◯ |
ベクトル検索 | ✗ | ◯ |
※△はGA前の最新版や有料版、英語でのみ有効な機能です。
※上記の表は筆者の解釈に基づいていますので、人によって解釈が異なる場合があります。
結局どちらがいい?
筆者的にはどのように利用するか、何名が利用するかが鍵になると思っています。
使用人数が多い企業様や、用途に合わせてLLMを選びたい企業様でしたらVertex AIを用いた自前構築。
すぐに使い始めたい、使用人数が少ない企業様でしたらGeminiがよいのではないでしょうか?
おわりに
今回簡単にご紹介した、GeminiやVertex AIについて導入を検討されている方やもっと詳しく聞いてみたいと言った方がいらっしゃれば是非ジーアイクラウドまでお問い合わせ下さい。
※本記事は、ジーアイクラウド株式会社の見解を述べたものであり、必要な調査・検討は行っているものの必ずしもその正確性や真実性を保証するものではありません。
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