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Google Cloud 最新リリース情報: BigQuery、Spanner、Vertex AI など注目アップデートまとめ

はじめに

Google Cloud は常に進化を続け、新しいサービスや機能がリリースされています。 今回の記事では、2024年6月前半の Google Cloud のリリース情報を、特にビジネスユースケースを想定しながら、BigQuery、Spanner、Vertex AI を中心にわかりやすく解説していきます。

データ分析

BigQuery

• Analytics Hub データ出力制御の一般提供開始: データ提供者は、Analytics Hub リストにデータ出力制限を適用し、共有データのコピーやエクスポートを制限できるようになりました。これにより、データのセキュリティとコンプライアンスを強化できます。
  • ユースケース: 機密性の高いデータを扱う企業が、データ共有をセキュアにコントロールしたい場合に有効です。
• エディション向けスロット推奨機能の一般提供開始: 過去の使用状況データに基づいて、エディションとオンデマンドワークロードに最適なキャパシティ購入を推奨します。コスト最適化に役立ちます。
  • ユースケース: BigQuery の利用状況を分析し、最適な料金プランを選択することで、コスト削減を実現できます。
• ノートブックのスケジュール設定 (プレビュー): 定期的に実行する分析タスクを自動化できます。
  • ユースケース: 日次・週次レポート作成など、繰り返し行う分析作業の自動化に役立ちます。
• BigQuery ML リモートモデルの教師ありチューニング (プレビュー): gemini-1.0-pro-002 モデルに基づく BigQuery ML リモートモデルに対して、教師ありチューニングを実行できるようになりました。
  • ユースケース: BigQuery 上で、より高精度な機械学習モデルを構築できます。
• NULLIF 条件式に追加の照合順序サポートの追加 (一般提供開始): NULLIF 条件式が照合順序の影響を受けるようになり、STRUCT データ型との照合順序対応の比較で使用できるようになりました。
  • ユースケース: データの照合順序を考慮した、より正確なデータ処理が可能になります。
• BigQuery JupyterLab プラグイン (プレビュー): JupyterLab 環境で BigQuery DataFrames を活用したデータ分析が可能になります。
  • ユースケース: JupyterLab の使い慣れた環境で、BigQuery のデータ分析を効率的に行えます。
• BigQuery テーブルのタグ (一般提供開始): タグを使用して、Identity and Access Management (IAM) ポリシーで条件付きでアクセスを許可または拒否できます。
  • ユースケース: データへのアクセス制御をより柔軟かつセキュアに行えます。

Looker

• Looker Studio でキャンバスフィルターを無視する集計値を作成: ビューアーが適用したフィルターを無視した集計値や比較指標を設定できます。
  • ユースケース: ダッシュボード全体に対する数値の変化を把握したい場合に役立ちます。
• Looker Studio に Partner Connector が追加: Supermetrics、Trueclicks、Pitchbox.com、Railsware Products Studio, LLC、Catchr.io、Daxrm、Reportingninja など、様々なサービスのデータに接続できるようになりました。
  • ユースケース: より多くのデータソースを Looker Studio に統合し、包括的な分析ダッシュボードを作成できます。
• Looker Studio で「その他」のグループ化がより多くのグラフタイプで利用可能に: 指定した制限外の結果を「その他」というカテゴリに集約できます。
  • ユースケース: データの主要な傾向を把握しやすくし、グラフの視認性を向上させます。
• Looker Studio でデータラベルのカスタマイズオプションが拡張: フォント、色、サイズ、スタイル、背景色、不透明度、境界線の半径などを設定できます。
  • ユースケース: グラフの見た目をカスタマイズし、より見やすく、理解しやすいダッシュボードを作成できます。
• Looker Studio に新しい Bin 計算フィールドタイプが追加: 数値ディメンションに対して、計算フィールドや SQL で CASE WHEN 式を作成せずに、数値ティアを作成できます。
  • ユースケース: データの範囲を簡単にグループ化し、分析を効率化できます。
• Looker Studio のタイムライングラフに新しい「ツールチップで色分け」オプションが追加: ツールチップのディメンション値でタイムライングラフの色分けができます。
  • ユースケース: タイムライン上のイベントを視覚的に区別し、より深い分析を可能にします。

データベース

Spanner

• クエリ オプティマイザ バージョン 7 の一般提供開始: クエリのパフォーマンスが向上しました。
  • ユースケース: 大規模データに対する複雑なクエリを高速に処理できるため、リアルタイム分析などに最適です。
• 名前付きスキーマの一般提供開始: データベースオブジェクトを名前空間にグループ化することで、名前の競合を回避し、FGAC 権限を一括管理できます。
  • ユースケース: 複数のアプリケーションで同じデータベースを共有する場合に、名前空間で分離することで、管理とセキュリティを向上できます。
• 生成列で STORED 属性が不要に: 生成列をクエリ時またはインデックス時に評価できるようになり、追加のストレージや書き込みオーバーヘッドが不要になりました。
  • ユースケース: データの冗長性を減らし、ストレージコストを削減できます。

AI / 機械学習

Vertex AI

• Gemini Code Assist での API 管理機能向け Google Cloud ベースのモックサーバーのプレビューリリース: 設計した API とのインタラクションを可能にする、Google Cloud ベースのリモートモックサーバーを簡単にデプロイできます。
  • ユースケース: API のテストと検証を容易にし、開発プロセスを効率化できます。

その他 AI / 機械学習サービス

• Apigee X: Apigee Pay-as-you-go のお客様は、Cloud Console の Apigee UI を使用して、既存の環境のタイプを変更できるようになりました。
  • ユースケース: 環境の機能を UI から簡単に変更できるようになり、柔軟性が向上しました。
• Dialogflow: Dialogflow CX が Salesforce との統合のためのカスタム webhook テンプレートを提供するようになりました。
  • ユースケース: Salesforce との連携を強化し、より高度な顧客対応システムを構築できます。
• Document AI: Document AI のレイアウトパーサーが一般提供開始。様々な形式のドキュメントを構造化された表現に変換します。
  • ユースケース: ドキュメントから情報を自動的に抽出し、データ化することで、業務効率化や分析に役立てます。

セキュリティ

Google SecOps

• Access Transparency との統合: Google SecOps は、Google 担当者が SIEM 機能をサポートする顧客コンテンツにアクセスすると、Access Transparency ログを書き込むようになりました。
  • ユースケース: Google Cloud データへのアクセスを監視し、セキュリティとコンプライアンスを強化できます。
• データ RBAC のサポート: Google SecOps 環境内のデータへのユーザーアクセスを、割り当てられたロールに基づいて制御できます。
  • ユースケース: データへのアクセスを適切に管理し、セキュリティリスクを軽減できます。

その他

• Cloud Storage: 新しい定義済みデュアルリージョン EUROPE-WEST2 (ロンドン) と EUROPE-WEST1 (ベルギー) が追加されました。
  • ユースケース: 欧州でデータの可用性と冗長性を高めたい場合に有効です。

まとめ

今回のリリース情報は、データ分析、AI / 機械学習、セキュリティなど、幅広い分野にわたるアップデートが含まれています。これらのアップデートを活用することで、よりセキュアで効率的なクラウド環境を構築できます。