Function Calling で社内システムを自動化
Function Calling で社内システムを自動化
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author: ryutah
はじめに
こんにちは、技術推進グループのグループマネージャのryutahです。
今回はFunction Callingを用いて社内システムを自動化する方法を、Goのコード例を交えて解説します。
Function Calling とは
Function Callingは、LLM (大規模言語モデル) が実行可能な関数を定義し、LLMの出力に応じて適切な関数を呼び出す仕組みです。LLMは直接関数を呼び出すのではなく、関数名と引数を構造化データとして出力します。この出力を受け取ったサーバー側で、実際の関数の実行をします。
前提
- 社内システムは人事評価システム
- 人事評価システムにユーザーを登録する機能を実装
- 登録時に確認メッセージを表示し、確認が取れた場合のみ登録
社内システム ユーザ登録の関数を定義
// 登録処理
// user ユーザー名,isconfirm 確認チェック
func insertUser(user string, isconfirm bool) map[string]any {
if !isconfirm {
return map[string]any{
"isconfirm": isconfirm,
}
}
// ユーザー登録処理...
return map[string]any{
"user": user,
"isconfirm": isconfirm,
}
}
関数の登録
Function Callingで使用する関数を登録します。ポイントは Description
と Properties
の isConfirm
です。
Description
: 関数の説明に加え、実行条件 (確認) を明記します。Properties
: 関数実行の判断に使うbool値 (isConfirm
) を定義します。
insertUserTool := &genai.Tool{
FunctionDeclarations: []*genai.FunctionDeclaration{{
Name: "insertUser",
Description: "ユーザー登録処理。この関数を実行する場合は確認をとってください。",
Parameters: &genai.Schema{
Type: genai.TypeObject,
Properties: map[string]*genai.Schema{
"username": {
Type: genai.TypeString,
Description: "登録するユーザー名",
},
"isConfirm": { // isConfirm に修正
Type: genai.TypeBoolean,
Description: "この関数を実行してよいか確認済みか。",
},
},
Required: []string{"username"},
},
}},
}
確認を伴う Function Calling の実行例
以下に、確認を伴うFunction Callingのコード例を示します。
// (main 関数内の処理)
model := client.GenerativeModel("gemini-1.5-flash")
model.Tools = []*genai.Tool{insertUserTool}
session := model.StartChat()
// ... (プロンプト入力処理)
// レスポンスを解析し、関数呼び出しを実行
part := resp.Candidates[0].Content.Parts[0]
funcall, ok := part.(genai.FunctionCall)
if !ok {
log.Fatalf("Expected type FunctionCall, got %T", part)
}
if g, e := funcall.Name, insertUserTool.FunctionDeclarations[0].Name; g != e {
log.Fatalf("Expected FunctionCall.Name %q, got %q", e, g)
}
isConfirm, ok := funcall.Args["isConfirm"].(bool) // isConfirm に修正
if !ok {
log.Fatal("Expected FunctionCall.Args isConfirm")
}
username, ok := funcall.Args["username"].(string)
if !ok {
log.Fatal("Expected FunctionCall.Args username")
}
apiResult := insertUser(username, isConfirm) // isConfirm に修正
// ... (結果の表示、登録確認処理)
実行結果
登録する場合:
ユーザ名:佐藤を登録してください。
確認のため、もう一度入力してください。
ユーザ名:佐藤を登録しますか? はい or いいえ を入力してください。
はい
ユーザー:佐藤を登録しました。
登録しない場合:
ユーザ名:佐藤を登録してください。
確認をとってから登録してください。
登録しないです。
了解しました。
コード解説
- 関数呼び出しの検証: LLMからのレスポンスが、想定した関数 (
insertUser
) を呼び出しているかを確認します。
※下記コードで実際に外部関数が呼ばれいるかのチェックを行なっています。
if g, e := funcall.Name, insertUserTool.FunctionDeclarations[0].Name; g != e {
log.Fatalf("Expected FunctionCall.Name %q, got %q", e, g)
}
- 登録確認:
answer
に入力された内容に基づいて、実際にユーザー登録をするか判断します。
まとめ
Function Callingを利用することで、LLMを活用した社内システムの自動化が容易になります。特に、確認を伴う処理を組み込む場合は、bool値で制御するとシンプルに実装できます。
Function Callingを効果的に活用するには、FunctionDeclarations
に関数の説明を簡潔かつ明確に記述することが重要です。
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